まず初めに伝えておきたいのは自分は元々霊感と呼べるものがあり、それに気付いたのは小学生でした。
なので、霊に対しての恐怖心は大して無いということも前提にしてください。 見える、聞こえる、話が出来る程度です。
そして話に出てくる母も霊感があります。
前置きが長くなりましたが本題に入ります。
この話は自分が高校1年生、つまりは13年前の冬休みの話です。
まだバイトもしておらず部活が終わり、片道1時間かかる家にようやく着き鍵で玄関のドアを開けようとした時でした。
ダンダンダンダンダンッ! と階段を降りる音がしたのです。しかも急いでいるように走って。
自分には妹が2人居まして、そのどちらかが帰っているのかと思いました。 しかしよく考えればそれはあり得ませんでした。
何故ならその日から2人は部活の合宿にお昼から向かったからです。
普段から霊が見える自分が冷や汗をかくほど怖いと感じたのは初めてでした。
意を決してドアを開けました。 誰もおらず、沈黙の時が流れました。
音の止まったのは階段の一番下、つまり玄関開けてすぐ誰か居ないとおかしいのです。
剣道部だった自分は泥棒の可能性を考え一階、二階と竹刀を持ち、隅々まで探しました。
しかし、自分以外の気配も、音も姿も無いのです。
この話を妹が帰って来てから家族の前でしましたが、誰一人信じませんでした。 母でさえも。
しかし実家を母と共に離れ、8年の時を経った時です。
母が語りました、実は自分も家に1人の時に階段を走りながら上がったり降りたりする音を頻繁に聴いていたと。
妹達を怖がらせまいとしなかったものの母も体験していたのです。
2人とも見えるのに見えなかった、音だけの「あれ」の正体は 一体、なんだったのでしょうか?
真相は分からず今もたまにあの音を思い出す日々です。