ショート・ドリーミング

 みなさん、短い夢って見たことありますか?

 長い夢やドラマチックな内容の夢はたびたび見ることはあると思うのですが、 自分が最近不思議に思っているのはすごく短い夢を見ることです。
 なぜ短いと判るのかと言うと、実は昼間、起きている時に見ているからです。  
 デスクワークをしている人なら経験があると思うのですが、 お昼を食べた後の午後2時や3時ごろ、突然睡魔が襲ってきて、 ついウトウトしてしまうことが。
 自分もたまにそのようなことがあります。眠ってはいないのです。 周りの音も聞こえているし、目の前のモニター画面も見えています。 でも眠くて瞼が落ちそうになる。

 うわぁ、やばいなぁ……眠いなぁ……と思いながら、いろいろなことが頭に浮かびます。
 次の企画のこと。会議で話すべきこと。新商品の売り込み方法……等々。
 そしてハっと気が付きます。あれ? 今のは夢か? ついさっきまで頭に浮かんでいた企画の事も、会議の事も、 自分にはまったく関係のない絵空事なのです。
 新商品の売り込み方法? そんな新商品などウチの会社にはありませんし、自分はそんな部署とは無縁です。 会議の面々もぜんぜん見知らぬ人ばかりでした。
 そんな夢を、ほんの数十秒、ウトウトした間に見ていたのです。 しかも見ている間は非常にリアルで、熱心にその絵空事に従事しているのです。

 そんなリアルで短い夢を何度か見ているうちに、 実は自分はそのウトウトしている一瞬の間に、魂だけが抜けて どこか別の会社の会議室にでも入り込み、 そこにいる誰かに憑りついてしまっているんじゃないだろうか……? と、そんな妄想まで抱くようになってしまいました。
 よく、心霊写真に霊ではなく生霊が写り込む、なんてケースがあったと思いますが、 自分の場合は生霊を飛ばしている側なのではないか? と、そんな疑問も湧いてきます。

 最近見た夢はちょっと怖い感じでした。
 自分は若いアメリカ人になっていて、みんなテンガロンハットをしているので、 たぶん舞台はテキサス州のどこかなのでしょう。
 古いけど割と大きなお屋敷で、男女数人が土足のまま家に上がってソファなどで くつろいでいます。
 話の内容は遺産相続の話でした。 その中で、親戚の誰々を殺そうなんていう相談を始めるのです。
 ひとりがチェストから拳銃を取り出してきました。 コルト・シングルアクション・アーミーです。 それを囲みながらみんなで相談していました。
 自分はその連中の顔を眺めまわしていたのですが、その時に部屋の隅に もう一人、誰かいるのを見つけました。
 ただ、そいつは人間ではありません。
 真っ黒な影のような存在で目だけが光って見えます。
 そいつがこっちをじっと……不思議そうな目で見てきます。
「なぜおまえのような奴がここにいる!?」 そう、頭の中に語り掛けてきます。
 その瞬間背筋がゾクっとして、ボクはまるで悪夢から飛び起きるようにして ウトウトから目を覚ましました。心臓がドキドキしています。冷や汗ものです。

 たぶんアレは、死神か悪魔なのではないでしょうか。危ないところでした。
 今はテキサス州のどこかで、遺産目当ての殺人が行われていないことを祈るばかりです。

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