「猿夢」や「バリバリ」を読んでいて思い出した自分の体験談。
なにぶん昔の話なので忘れてしまった点や脚色もあるので多少の矛盾、はご容赦を。
一番初めにその悪夢を見たのは小学1年生くらいの5~6月頃だったかと思う。
夢の中で私は当時通っていた小学校へ向かう通学路にいた。夢の中の私は、なぜだか遅刻しそうなときの焦燥感を覚えており小学校へ向けて走っていた。
急いで教室の扉を開け、中に入ると同時に鐘が鳴った。ギリギリ間に合ったようだと席につき、安心したのもつかの間、刃物を持った男が侵入し、クラスメイトに襲いかかった。
教室が赤く染まっていく中、私は逃げることすらできずその男に殺されてしまった。
その瞬間私は目を覚ました。すでに外は明るく、私は起きてすぐに「怖い夢を見た」と両親に泣きついた。
これだけなら、ただ子供の頃に怖い夢を見たというだけである。だが、これだけでは終わらなかった。
それから約8年間、同じ時期に同様の夢を見るようになってしまったのである。
これらの悪夢は毎回同じ内容というわけではないが、「舞台は学校」、「教室に入ると殺されてしまう(逆に教室に入るまでは何も起きない)」、「自分が殺されるまで悪夢は終わらない」という点は共通していた。
例えば、もう何回目だか忘れてしまったが、クラスメイトに殺されたり、ジャバ・ザ・ハットのような化物に食い殺されるなんてこともあった。特に覚えているのは、メスのような刃物で喉を切り開かれて殺されたときだろうか。メスの冷たい感触と喉に侵入してくる異物感がとてもリアルで、起きた際に自分の喉を触って確認したほどだった。
そんな悪夢も何度か見ているうちに夢だと気付くようになり、自力で目を覚ましたこともあった。しかし、目を覚ますだけでは悪夢は終わらなかった。というのも、一度起きても、その後、寝てしまうと目が覚める直前の場面から悪夢が再開してしまうのだ。このため、悪夢の途中で目が覚めたときは、リビングで1人テレビを見るなどして寝てしまわないようにしなければならなかった。
中学生になるころには、教室に入らなければ殺されないことにも気がつき、「学校に行かない」、「教室には入らない」ということも実行してみた。しかし、クラスメイトに手を引かれたり、教室以外の扉を開けたはずなのに教室につながっていたり,地面に教室の扉が出現するなど、どうあがいてもその悪夢を回避することはできなかった。
そんな悪夢もあるときから見なくなった。 当時はとてつもなく恐ろしく感じた悪夢も、今となっては恐怖感も薄れ、「そんなこともあったなぁ」と思い出す程度だ。
あの夢が何を意味していたのか、もしくは本当にただの夢だったのか、今となってはわからない。
ただ、オカルトが好きになった今、もう一度あの悪夢を見てみたいと思ってしまうのだ。