黒い影

 こういった投稿は初めてですので下手な文章になってしまいますが、これは私が自衛官時代に体験したお話です。

 自分は新隊員教育隊に入隊し、日々訓練や体作りに汗を流しておりました。
 営内生活や同期隊員にも馴れたある日の夜、消灯ラッパがなりそれぞれ自分のベッドで横になりながらベッドバディや隣のベッドの隊員と私は眠くなるまでおしゃべりをしておりました。
 ベッドバディが眠り隣のベッドの隊員が眠り、私はなかなか眠れなかったので仰向けになり、バディが眠る鉄製二段ベッドの底板に自分で取り付けた腕時計をボーッと眺めて時間を潰していたら気がついたら眠っていました。
 暫く経ち、私は人の気配を感じて目を覚まし、上体を起こし気配を感じた方をみました。
 ロッカーの前に黒い人影が見え、その影を私は○○班長だと思い話しかけました。
「あれ? 班長こんな夜中にロッカーで何してるんですか?」
「あー」
「ん? あれ○○班長ですよね?」
「あー」
「何か探してるんですか?」
「あー」
「えーっと電気つけますか?」
「いい」
「そうですか……じゃ自分寝ますんで、何かありましたら起こして下さい」
「あー」

 翌朝、同期の班員と食堂でご飯を食べている時に何気なく話しました。
「夜中に班長がロッカー前に立ってたんだよね、なしたんだろ」
「班長? いや俺お前の話声で起きたけど、お前が1人でしゃべってだから、寝ぼけてまたしゃべってるんだと思ってたけど?」
「え? 俺1人でしゃべってた?」
「そうだ今ちょうど食堂さ班長来し呼んで聞いてみればいいべ、来てねって言うから」
「○○班長!! おはようございます」
「おーおはよう」
「あの班長夜中にロッカーの前に立ってませんでした?」
「いや立ってないけど何かあった?」

 夜中の件を班長に話しましたが結局寝ぼけてた事にされてしまいました。
  でも確かにロッカーの取っ手に手をかけて、ちょっとうつむいたまま立っている影を見ているし、話までしたのですから、寝ぼけていたとは思えないのですが……。
 以上が、私が見た黒い影の話です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

閉じる