黒髪の女

 これは、私が幼稚園生の時に体験した話です……。

 当時私はおばあちゃんっ子でいつもおばあちゃんと一緒に寝ていました。
 ある日、いつものようにおばあちゃんと寝ていると、夜中の2時頃にトイレに行きたくなって目が覚めてしまいました。
 その時、視線を感じて気配がするほうを見ました。 そしたら、白い服を着た長い黒髪で、目のギョロっとした女が私のことをじっと睨みつけていました。
 当時幼稚園生だった私は恐ろしさの余り、声も出なくなってしまいました。
 その女が消えて、ようやく声が出せるようになった頃に、私はおばあちゃんを急いで起こして、今あった出来事を話しました。
 そしたら、怖い夢でも見たんじゃないの? って言われて信じてもらえませんでした。
 その時は夢だと自分に言い聞かせて、トイレに行ってそのまま眠りました。

 その10年後、おばあちゃんが亡くなって、おばあちゃんの寝所はお兄ちゃんの部屋になって、お兄ちゃんが友達を呼んで遊んでいる時に、お兄ちゃんの部屋から、うわぁーっ!とお兄ちゃんの友達の叫び声が聞こえたので、私がどうしたの!?って言ってお兄ちゃんの部屋に走って行きました。
 そしたら……お兄ちゃんの友達が、さっき長い黒髪の白い服を着た目のギョロっとした女が俺の事睨みつけてたって言われたんです……。
 その時私はゾッとしました……。
 何故なら、お兄ちゃんの友達が私と全く同じ場所で同じ黒髪の女を見たのですからその6年後、お兄ちゃんは結婚して家を出て、その部屋は今、私の部屋になっています……。
 また、あの女を見ることがないことを祈るばかりです……。

朗読: ゲーデルの不完全ラジオ

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