高校生の時の話。
高校一年生の頃、宿泊防災訓練という行事がありました。
その日は夕方から学校へ集まり、災害に関するビデオなどを体育館で観て、非常食を食べ、非常用の毛布を教室に敷いて寝るという物です。
学校に泊まると言うことでみんな修学旅行気分になり、消灯時間も近くなる頃にはそれぞれのクラスで恋バナや会談話で盛り上がっていました。
私のクラスでは恋バナをしていて楽しい雰囲気だったのですが、ふと教室のドアを見ると、先生がぐったりと項垂れた子の肩を抱いて移動させる姿が見えました。
あれ、どうしたのかな……と思った直後、ほかの先生がやってきて、私のクラスの様子を見た後「ドア、閉めといて。開けないでね」とドアを閉めて行きました。
元々は、消灯を過ぎた後の見回りのために1/3程空けておくよう言われていたのに、おかしいなと思いました。
私はさっきの項垂れた様子の子と関係があるのかもと思い、「トイレに行きたいから行ってくる」と告げて教室を出ました。
そこで私が目にしたのは、先程とは別の生徒が廊下に項垂れるように座り込み、それを心配そうに見る先生でした。
その横を通り過ぎ、ちょうどトイレの前の7組の前へ来た時、驚愕しました。
7組の中では数人の生徒がおびえるように教室の一箇所に集まっており、ちょうど中央の辺りに、狂ったように声を上げて髪を振り乱し白目を剥いた女子生徒が1人暴れていました。
唖然としていると、先生に「何してるの? 教室に戻りなさい」と注意されたのでトイレを済まし、クラスに戻りました。
その後、様子を見に行くことはできないものの廊下が騒がしく、まさに非常事態がそこで起きているという雰囲気でした。
翌日朝を迎えると、7組の話で持ちきりでした。
なんでも、 夜に怪談話で盛り上がっていたところ1人の生徒が急に半狂乱になり暴れ出した。 初めのうちは脅かす為の冗談だと思っていたが、その状態はつづいた。 段々と不穏な空気になっていくと、ひとり、またひとりと変な動きをしたりうなだれたり、うめき声をあげ出した。 ということでした。
おかしくなってしまった子達は、先生たちが保健室へ運び出し、親を呼んで連れて帰ってもらったらしいです。
その後は各々が神社へお祓いへ行ったり、塩を巻いたりとしたそうですが防災訓練開けの登校日に休む子もいました。
一体この事態はなんだったのかはっきり分からないままですが、校内では集団パニックということで落ち着きました。
しかし、翌年からその行事はパッタリ行われることがなくなりました。
実際に目にしたので、あれからずっと気になっています。
このような集団パニックはよくあることなのでしょうか。
小学生の時の話
こちらも、学校での話ですがノンフィクションです。
これは私が小学生の時に起こった話です。
あまりはっきりと覚えていませんが、小学校中学年くらいだったと思います。
その学年では、お泊まり会をするのが毎年の決まりですごく楽しみにしていました。
この会では、先生のほかにPTAのメンバーたちもお手伝いとして学校に泊まり、サポートを行っていました。私の母もその中のひとりです。
会当日は問題なく一日を終えようとしており、布団を敷いてみんなそれぞれ持ってきたタオルケットを掛けて眠りについていきました。
その就寝場所は『なかよし談話室』という場所で教室というよりは広めの多目的室というような感じで、中央にグランドピアノが置いてありました。
夜も深くなって子供達が寝静まった頃、談話室の前の踊り場で先生とPTAの2、3人ずつが交代で見張りをすることになっていました。
私の母、教頭、他学年の先生の3人の番になった時のことです。
ふと仲良し談話室に目をやると、グランドピアノの椅子に腰掛ける女の子がいました。
母は近づき、「起きちゃったの?」と聞くと 「ううん、ちがう」と答えたそうです。
その様子に気づき、教頭も近寄ってきたのですが、女の子を見て不思議そうな顔をしていたのが気になったと言います。
母は「1組? 2組?」と聞きました。 女の子は「ちがう」と言って、その後色々と聞いてもあやふやな返答しか返ってこなかったそうです。
見かねた母が、「お名前はー?」と聞きました。
母は、お母さんが恋しくなっちゃったのかくらいに思い、名前を聞いてから担任を呼びに行こうと考えていたそうです。
女の子は、「あかり」と言いました。
あかりちゃんはこの学年にはいない名前なので、一瞬困惑するも、母はそのまま担任達が寝泊まりしていた教室へ向かいました。
担任2人を連れて戻ると、パニックに近い状態の教頭と他学年の先生がいました。
聞くと、担任を呼びに行った母の姿を見てすぐ振り返ると女の子がいなくなっていた。
談話室の外にいた他学年の先生も出ていく姿はみていない。とのことでした。
念のため似た名前のアのつく生徒が就寝しているのか、人数等もチェックしたが問題がなかったためにその場は収まったそうです。
翌日は、私たち生徒は何も知らないまま1日を終えてお泊まり会は終了しました。
帰宅後母に昨晩の出来事を聞き、すごく興味をもった為、翌日の登校日にアのつく名前の子3人に聞きましたが全く身に覚えのない様子でした。
ますます不思議に感じた私は、仲の良かった音楽の先生にこの話をしました。 すると先生は、少し泣いたような目をしてピアノを撫でたんです。
子供ながらに、胸がざわつくような、変な印象が残っていました。
その後とくに何もなく小学校を卒業して、社会人になって仲間内で同窓会のようなものを開いたときに、ふと音楽の先生の話になりました。
すごく優しくて好きだった!とみんなが言っている中、1人が 「普段あんな優しいのにピアノの下潜った時だけやべーやつね」と言って、 その言葉で、ふざけてピアノの下に潜ったりしたときに激怒している先生を思い出したんです。
普段はすごく優しいのに、ピアノで隠れんぼしたときに異様な剣幕で「地震がきたり、倒れたりしたらあぶないからやめなさい」と叱られたことがありました。
このときに、私はお泊まり会でのあかりちゃん事を思い出して本当に鳥肌が止まらなくて、真相は分かりませんが、きっと何かあったんじゃないかと思っています。