大人になってから母から聞いた話ですが、私の授業参観のため小学校に来た時、何気なく教室の入口を見たら、父兄たちが立っている間から白い手が扉の枠に指をかけているのが見えたそうです。
誰か外にいるのかと思っていると、その指が動いて少しずつ教室に入ってきたそうです。
手の甲が見え、手首まで見えたところで気づいたのですが、その手は手首から下しかなく、まるで虫のようにひとりでに動いていたそうです。
びっくりして凝視していると、その手が入口の近くにいた父兄の一人の女の人のバッグの中にするすると入り込んでいき、そこで授業終わりのチャイムが鳴ったそうです。
一斉に大人たちが教室から出ていく中、母は恐怖で頭が混乱して少しの間立ち尽くしてしまったそうです(言われてみるとその時の授業参観で母がしばらく教室から出ずに立っていたので変だなと思ったことを思い出しました)。
その女の人は知り合いではなかったのでその後どうなったのかわからないとのことですが、この話を聞いてそういえば、と思ったことがあります。
私のクラスでは手を怪我する人が多く、生徒どころか担任の先生が指の骨を折って手に包帯を巻いてきたこともありました。
私自身大した怪我ではないですが用紙で手を切って手のひらにかなり大きな切り傷ができてしまったことがありました。
何か関係があるのか、それとその女の人はその後どうなったのか、何一つわかりませんが、私の記憶が確かなら、授業参観があった一学期の終わり以降、クラスで手を怪我した人はひとりもいなかったと思います。
