夜のバス

私が高校生の頃の話です。

その日は休日で、朝から友人達と遊んでいましたが、帰りが少し遅くなってしまったので、バスで帰ることにしました。

しかしいつもはすぐに来るはずのバスは、時刻表の時間を過ぎても来ませんでした。

休日だし、混んでるのかなと思いながら談笑していると一台のバスが到着しました。

夜遅い事もあって、バスの中は薄暗く人もあまり乗っていません。

私達は二人一組になるように座り、談笑を続けました。

しばらくすると、アナウンスが聞こえて来ました。

『次は〇〇病院前、〇〇病院前です。お降りの際はボタンでお知らせください』

〇〇病院…?

いつもバスで通る道では聞いた事もありません…。

バスを間違えたかなと思いながらもアナウンスを聞いていました。

すると友人の一人がそっと話しかけてきました。

「なぁ、〇〇病院って、この間のニュースで出てた…。 火事で全焼した病院じゃないかな…?」

私は全身の血の気が引いていくような感じがし、友人達の顔も青ざめていくのが分かりまました。

アナウンスは次に…

『次は、××墓地前、××墓地前です。お降りの際はボタンでお知らせください』

私はアナウンスが終わるか終わらないかの内に夢中でボタンを押し、次のバス停で全員降りました。

あのまま乗っていたら、私達はどこに連れて行かれたのでしょうか…

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