ブランコ

高校生くらいの話です。

私の家の近くに小さな公園があり、私も子供の頃からよく遊んでいました。

その公園は少し変わっていて、滑り台とかジャングルジムとかはあるのに、何故かブランコだけがありません。

いつからか危ないからという理由で撤去されたらしいのですが、ある夜、私は母親に頼まれてコンビニに買い物に行きました。

その帰りに公園の近くを通りかかりました。

するとブランコがひとりでにキイ……キイ……と音を立てて揺れていました。

時計を見ると19時半近く、どう考えても子供が遊んでいるような時間じゃありません…。

私は怖かったのですが、怖いもの見たさといった感じで近付いて見に行きました。

すると、キイ……キイ……という音がだんだん大きくなってきて、人は乗っていません。

乗っていたのは、血で汚れたボロボロのぬいぐるみだけでした…。

私がその公園でブランコを見たのは、それが最後でした。

その公園で何があったのかも、あのぬいぐるみが何だったのかも、今はもう分かりません。

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