真昼間の怪

 民宿を経営しています。

 客室掃除が終わり、いい天気だったのでついつい『また掃除機かければいいや』と、大の字になって眠ってしまいました。
 入り口と窓は開け放ったままです。
 どのくらい眠っていたでしょうか、そろそろ起きなくちゃと思っていると、3人くらいのおばあさんがしゃべりながら階段を上がってくるようでした。
 私は『やばい、お義母さんが友達連れて2階に上がって来た。この格好見られる!』と思いましたが、もうすでに大の字になって寝ているのを見られてしまったと思い、まだ眠っているふりをしていました。
 すると、枕元に3人のおばあさんが座ったのです。
 座った時の空気の動きを3回感じました。
 すると3人が交互にそれぞれ違う声でお経を唱え始めました。一人ずつ私の耳元で唱えるのです。
 私は恐ろしくなりました。
 それでも、思い切って目を開けると、誰も居ず、しかも私の頭は壁のそばだったので人が座るスペースなどありませんでした。
 時計を見ると昼下がりの3時半、私はダダダと階段を駆け下りて義母に「お義母さん、今誰か2階に来た?」と訊くと「誰も行かないよ」とのこと。
 ゾ~っとしました。

朗読: モリジの怪奇怪談ラジオ
朗読: 小麦。の朗読ちゃんねる

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