僕の家はお化け屋敷

この話は僕が高校生の頃にあった心霊体験です。

そもそも僕の家族は霊感・霊能が強い家族で、親戚にも人が訪ねてくる前に誰が来たか分かるおじさんもいたんです。

父もかなり霊能が強く、人の過去やらどんな人間か分かってしまう人でした。

そして僕も霊能が強い訳ではないですが、それなりに霊感の強い方です。

小さい頃はあまり認識していなかったのですが、中学生の頃からオカルト話が当然の如く好きになっていって、

「あれ、うちの家って普通じゃない」と思い始めました。

自分の部屋で過ごしていると当然の如くなるラップ音。

夕食時に廊下を走る黒い影。

自分しかいない我が家で自分の名前を呼ぶ声。

部屋の隅にいる黒い影。

ある時に自分の部屋で寝ていたら、凄い寝苦しく重苦しい。

苦しさに目覚めるとお腹の辺りに黒い霧の塊の様なモノが鎮座していました。

そして黒い塊には丸々とした赤い目があったのです。

僕はそれを見て・・・。 くっそ、重いな邪魔や。

と思ってガシッと寝ながらに両手でその黒い塊を、ムンっと投げ飛ばしました。

投げ飛ばすと不快な重さもなくなり心地よく眠りにつけました。

後日、霊って投げ飛ばせるんだ。物理効くのかと勝手に解釈したのでした。

また、ある日の事。

僕の部屋は二階で出窓がある部屋。

何時ものようにゲームをしていると、気配を感じて出窓を見ると 人型の黒い体に丸々とした赤い目をした奴が張り付いて僕を見ていました。一瞬だけ目が合ってそいつは消えました。

僕は思いました。

この間の奴か!しつこい奴だ!と。

出窓事件と心の中で命名したのですが、その後また同じことがあって、またか、めんどくさいなと思い始めていました。

それから暫く黒い奴は出てこなかったんですがね。

高校生になった頃のある日。

霊能の強い父が僕を叩き起こして1階の和室へ呼び出しました。

詳細な会話は忘れてしまったのですが、父と僕で深夜に我が家の神棚の位置を変える事になりました。

神棚はその和室の隅に設置していたんですが、なぜか父が開けると庭に通じる床まである窓の前に設置するんだと、鬼気迫った顔で僕に言いました。

僕は深夜2時にやらなくてもいいのに、なぜそこに設置するんだと心の中でぶちぶち文句を垂れながら、神棚を置けるように板と角材で作ったんです。

作り終わると完全に神棚と台でその窓から庭には出れなくなりました。

さて運命の日が迫って来ていました。

神棚を作って程なくして2階で寝ていると夢を見ていました。

僕はあまり夢を覚えていない方なので珍しい。

夢の中では僕が家を背にして庭に立っていたのですが、普段の庭と違う決定的な事がありました。

昔のテレビは白黒でしたよね。その夢の中は白黒ではなく、赤黒でした。

思い返すととても不気味な光景で、10数年経った今でも鮮明に覚えています。

気付くと庭の奥から僕の方へ、3メートルほどある黒い何者かがゆっくり迫ってきたんです。

きっと現実でそんな場所にいたら、腰を抜かしてしまうだろうと思うのですが、夢の中では恐怖も驚きもなくじっと迫ってくる、その黒い何者かを見ていました。

そいつが僕の目の前に来た時。 僕は目覚めたんです。

目覚めると、赤い目をした黒い何者かが僕の顔の前にいたんですね。

僕は・・・。 そいつの顔を殴りました。

殴るとそいつは甲高いこの世のモノとは思えないような声を上げて消えたんです。

そいつが消えるとフッと僕の意識が遠のいて行きました。

後日、その体験について考えていると、夢の中で立っていた庭の場所の後ろが神棚で塞がれた和室へ通じる窓だったんです。

父はもしかしたら何かを感じて神棚、神様に防いで貰おうとしたのかもしれないです。

後日談へ

朗読: 繭狐の怖い話部屋

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