神様と呼ばれた樹

 この話は、私の知人から又聞きした、実際にあった出来事です。

 ここでは知人の友達を仮にTさんとします。
 Tさんの曾祖父は、K地方の田舎に夫婦で暮らしていました。
 そして、家の裏山には神様と呼ばれている大きな樹が立っていました。
 いつからその樹があるのか、なぜ神様と呼ばれているのかは分かりません。  
 しかし、その神様と呼ばれる樹は大きく育ち過ぎてしまい、いつしか近隣住民の邪魔になっていました。
 そこで、Tさんの曾祖父はあろうことか、その樹を切り倒してしまったのです。
 その晩の事です、Tさんの曾祖母はある夢を見ました。
 それは、裏山から髪の長い全裸の女が降りてきてTさんの曾祖父を抱えて連れ去ってしまうという内容でした。

 その悪夢から2日後、K地方は記録的な大雨に見舞われました。
 大雨によって裏山は土砂崩れを起こし、Tさんの曾祖父母の家を巻き込みました。
 そして、その災害によって、Tさんの曾祖父だけが1人亡くなったのです。
  偶然が重なっただけという可能性もありますが、神様と呼ばれる樹を切り倒した事によって、山の神様を怒らせてしまったのかもしれません。

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