私が小学生の頃。四国の某少年少女自然の家で体験した話です。
夜中、常夜灯の灯りをたよりに、私と友達はトイレに行きたくなり廊下を歩いていました。
ふと広場を見た時、老婆が広場に立っていました。
白髪に手ぬぐいを被り、モンペ姿に杖をついた腰の曲がったお婆さんなのですが、両目が人外のものとわかるほど真っ赤に光っています。
ヤバいと感じた瞬間私は友達の手を引っ張り、窓下の壁に隠れました。怖いもの見たさの気持ちを抑えきれず、そっと広場を窓越しに見るとお婆さんは二階建ての管理棟の屋根に飛び上がっていました。
「怖かったねー。」
と、振るえる友達に声をかけると
「こっち見たんよ!私見られた!」
と泣き出してしまいました。何とかなだめて、その夜は二人で眠りました。
翌日、登山の途中で友達が怪我をし下山したと担任から聞きました。
友達は足の骨にヒビが入る怪我でしたが、あのお婆さんが、関係あるのかは、わかりません。もしかしたら、お婆さんは山姥で見られた友達は、何らかの呪いを受けたのかも知れません。