幻の教室

私が小学四年生の頃、3歳年上の従兄に「新しいクラス慣れたか?」と聞かれた。

私はまだ新しいクラスに馴染めていなくて、首を振った。

すると従兄は「そっか。だがいつまでもそのままだと、四年四組に連れて行かれるぞ」と怖い顔で言った。

私はクラスはみんな、三組までしかないと話すと、

「違うんだよ。お前の教室、三階だろ?あそこな、出るんだよ。

いつも鍵がかかっていて、椅子とか机とかが積んだままになっているから、変だと思っていたら、ある日、教室のドアが開いてて四年四組のプレートがあった。

中を覗き込んだら、真っ青な顔をした女の子がそこに居たんだ。

『あなたも、友達が居ないの?』

違うって返事をしたら、その子の顔がいきなり血まみれになって、バキッって音がして、首が真後ろに倒れたんだ。

『じゃあ、出てけ』って低い男の声がした。 びっくりして教室から飛び出した瞬間、女の子の後ろに机がずらりと並んでて、顔色の悪い子供たちが一斉にこっちを見ていた。

先生に話したら、昔あの教室から飛び降りた子がいたんだって。

「しばらく出なかったのにな」って言われたよ。

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