学生時代、私は江戸川区でピザ屋でデリバリーのアルバイトをしていました。
ピザ屋の営業時間は24時まで営業していて、24時ギリギリに注文がある事も結構ありました。
その日も24時ギリギリの最後の注文が来て私が配達する事になりました。
いつも通り最後の仕事を済ませようと配達をしてたら急にお腹が痛くなりました。
これは早く配達を済ませてトイレに行かなくてはと思いました。
配達を終えた後近くあった桜公園と呼ばれるトイレの個室にすぐに入りました。
この時間のトイレは凄く静かで何も周りは聴こえず、外の風の音や車の走る音だけでした。
用を済ませ早々にお店に戻ろうと思ったら電話をしながらトイレに入ってくる男の声が聞こえてきました。
声からして30代から40代くらいの中年男性の声で「もしもし? 久しぶり! 最近元気なの?」みたいな普通の会話だったと思います。
私自身、少し深夜のトイレが怖かったので、少し安心感みたいなものを感じました。
その男は私の隣の個室へ入りずっと電話をしている様でした。
深夜のトイレで静かなので、声は丸聞こえでした。
暇なので私はずっと男の会話に耳を傾けていました。
男は相変わらず他愛も無い会話を続けていました。しかし用を済ませ、早くお店に戻ろうと思っていたらふと、会話が途切れ電話が終わったのか、周りが一気にシーンと静かになりました。
先程の会話が嘘みたいに静かになりました。
その時電話の相手側の声が一瞬聴こえてしまいました。
それが「このお電話番号は現在使われておりません。このお電話番号は現在使われておりません」といったものでした。
私はめちゃくちゃビビって飛び出す様にトイレを後にしました。
それがトラウマで、大人となった今でも深夜の公園のトイレはなるべく使えないでいます。