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自動販売機

高校生の頃の話です。

 

私の通っていた高校には、校舎内と敷地内にそれぞれ自動販売機(以下自販機)が置かれていました。

夏の暑い日、私は部活の合間に自販機に飲み物を買いに行きました。

見ると、新しい飲み物が入っていましたが、他のジュースやコーヒーとは違い、

その見本の缶は赤一色で何も書かれていませんでした。

私は『話のネタにでもなるかな?』と思い、その飲み物を買ってみました。

見本の缶の下には他の飲み物と同じく100円と書かれていたので、100円玉を入れ、ボタンを押しました。

ガコンッと音を立てて缶が出てきました。

「何これ、何も書いてない…?」

普通は商品名などが印刷されているのですが、その缶には商品名も成分表も何も書かれていませんでした。

私は不思議に思いながらも部室に戻り、喉が渇いていた事もあって、私は早速飲んでみることにしました。

どんな味かなと思いながらプルタブを開け、ごくっと一口飲みました。

……が、すぐに吐き出してしまいました。 その飲み物は強い血の味がしたのです。

びっくりして思わず床に落としてしまった缶の中からは真っ赤な液体に混ざって、

黒い髪の毛の束と小さな白い歯が入っていました。

それから数ヶ月後、例の自販機は新しいものに替わり、

あの赤い缶の飲み物も見ることはありませんでした。

未だに、あの赤い飲み物がなんだったのか、

何故学校の自販機に売られていたのか、今はもう分かりません。

朗読: 繭狐の怖い話部屋

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