最期の挨拶

今から11年前の不思議な体験。

私の母方の祖母は、とても優しくいつも笑顔で一度も叱られた事がなく。

厳しい祖父の言う事を文句1つ言わず聞き。

よく働く、孫の私から見ても本当に真面目な人でした。

当時私は妊娠中で、祖母は私の出産を本当に楽しみにしてくれていて、

帝王切開が決まってたので手術日もカレンダーにしっかり書き込んでくれていました。

ある夏の朝、まだ時刻は5時を少し過ぎた頃、

愛犬のラブラドールレトリバーがフローリングを歩く音で目覚めました。

カチャカチャと爪の音をさせながら部屋の天井の方を見て、ユラユラと尻尾を振っていました。

レースカーテンがふわ~っと大きくなびくと、

愛犬はさらに尻尾を激しくふり、クルクルとその場で回ってました。

私は眠気眼で何してるんだろ?って思いましたが、眠気が勝り再びまぶたが落ちました。

次に私が目覚めたのは携帯の着信でした。

電話は父親からで、内容に愕然としました。

「おばーちゃんが亡くなった」

くも膜下出血だったそうです。

新聞を祖父に届ける途中で倒れて、祖父が発見したとの事。

検死の結果、早朝5時頃。愛犬が不思議な行動をしている時間でした。

愛犬は祖母とは何度が会った事もおり、可愛いがってもらっていました。

そして、不思議な事に大きくなびいてたレースのカーテン、窓は開いていませんでした。

きっと祖母が私達に最期の挨拶をしに来てくれていたのだと思いました。

その2日後、元気な女の子を出産しました。

祖母に似て、とても真面目な家族想いの娘も今年11歳になります。

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