小学生の頃の話。
新学期になって最初の朝礼があった日のこと。
休みの間に身長が伸びた私は、生まれて初めて一番前じゃなく、前から二番目になった。
私に代わってクラスで一番前になったのは友人のアキ(仮名)だった。
「前へならえ! なおれ!」
先生の号令に合わせて、前の子に向かって両手を伸ばすのも初めてだった。
アキのサラサラの髪の毛をぼんやり見ていたら、青いマニキュアを塗った白い指が、
アキの首筋をぎゅっと締め付けている。
アキはその場に倒れた。
先生たちはびっくりして「貧血だ、保健室へ」って騒いでるけど、違うような気がする。