友人が相談があるというのでうちにきた。
友人を招き入れたあとリビングにいる母親に「2階にいるから」と声をかけ、すぐに2階にある自室に入った。
友人の相談というのは、先日その友人が起こした交通事故について、
弁護士への連絡をひとりでできない、というものだった。
特に理由はないが不安なのだそうだ。
実のところ、私になにか相談を聞いて欲しいということではなく、
連絡するときに誰か側にいてほしいというのが本音だった。
もちろん本人が連絡するので私は側で聞いているだけである。
連絡は特に問題なく済み、その後友人から内容を聞いたり今後どうするのかを話したりして、
気が済んだらしい友人は帰っていった。
見送ったあと、リビングにいる母親に「友達帰ったよ」と声を掛けると、
「もうひとりは?」と返ってきた。
友人が来たとき、リビングのすりガラスから私を含めて3人の影が通ったのだそうだ。
来ていた友人は一人である。