高校の頃、教室から玄関に通じる道に、時々風が吹くことがあった。
夏も冬も冷たくて、思わず身震いするくらいだった。
そして、何より嫌だったのは、この風はたまにスカートをめくる。
ふわりとかそんなものじゃなく、まるで見えない糸で誰かに引っ張られたみたいにめくれ上がる。
私達生徒だけでなく、先生のスカートも、ハーフパンツやスパッツなどが見えてしまうくらい上がってしまう。
運悪く男子に見られてしまうかと思うと、恥ずかしくてたまらない。
そこで私達は、なるべくそこを通らないようにしたり、
体育の授業でジャージに着替えている時に通るようにした。
これでもう大丈夫だ。
……そう思っていたら、もっとすごい事が起こり始めた。
今度はジャージや女子生徒用のズボンが狙われるようになった。
たまに男子のズボンも狙われているらしくて、ストンと落ちてしまう。
やられた子は、何故か風邪をひいて休むようになった。
私も、体育の授業の帰りにジャージのズボンが落ちて、学校を休んだことがあった。
今でも覚えている。
本当に見えない誰かに、脱がされたみたいだった。