度胸試し

お泊り学習で、度胸試しのイベントをすることになった。

一番最後にオバケをする役になった女の子が、オバケのメイクをして待機していた。

ところが、いつまでたっても誰も来てくれない。

不安になって、集合場所にもどってみると、皆がガタガタ震えている。

「お前のオバケが怖すぎた。無理。全員ゴールまで行けなかった」

皆が口々に言った。

「嘘?なんで?私誰にも会ってない」

女の子がいくら言っても誰も信じてくれなかった。

それから、その話が噂になり、イベントの度に「あのオバケやってくれよ」と言われる。

でも女の子には何のことかわからない。

そのうち、だんだん皆に陰口をいわれるようになった

「なにさ、出し惜しみして」

「何様のつもり?」

「いいさ、こっちもあいつの話を聞かないようにしようぜ」

……陰口はエスカレートして、とうとういじめのようになってしまった。

追い詰められた女の子は、お泊り学習の場所で自殺してしまった。

以前に度胸試しで出たという、全身を切り刻んで首にナイフを突き立てた姿で……

それ以降、女の子をいじめてたり、

バカにしたりした子が夜に一人でいると、血だらけの女の子が現れるという。

「ねえ、これでいい?これでいいの?」

といいながら追いかけて来るそうだ。

ほら、あなたの後ろにも……

朗読: 繭狐の怖い話部屋

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