不浄霊
軽はずみにした事をつくづく後悔した。 まさかあんなところでそれに出くわすなんて、夢にも思わなかったのだから。 念願のリラクゼーションの仕事にもやっと就く事ができた。 やっぱり人を心身共に癒す仕…
軽はずみにした事をつくづく後悔した。 まさかあんなところでそれに出くわすなんて、夢にも思わなかったのだから。 念願のリラクゼーションの仕事にもやっと就く事ができた。 やっぱり人を心身共に癒す仕…
これは私が小学校三年生の時のお話。 不躾な事にそんなものがあるのかというのもアレなんだけど、もう時効かな?と思って今日はこんな話をしようと思う。 私が小学三年生の頃、公園の近くに優しいお姉さん…
夜道を長く走っていると次第にハンドルを握る肩がずっしり重く感じる。歩き過ぎた事もあるのか、アクセルやブレーキを踏みつける足首も気怠い痛みを覚えた。 ライトを上げて走っていてもその前方は暗く、曲…
二月とは思えない陽気の午後だった。 交差点を渡ろうとした私はそこで急に意識を失ってしまい、それからの事は全く憶えがなかったのだ。 「事故の事は分かりますか?」 「分かりません」 「今日は何…
父が入院して最初の週末に叔母がお見舞いに来てくれた。ううん、父の病状はそれほどひどいものではない。 いわゆる胆石というもので、いっそ手術で取り出す事になったのだけど命に係わるほどの危険性はない…
眩しいほどの晴天に恵まれた歩行者天国は人混みにあふれかえっていた。 もっと早くから来るつもりだったけど、休日にはやっぱり少し寝過ごしてしまった。 私の目当てはそこに並ぶフリーマーケットのアンテ…
空は晴れわたって高く、そしてどこまでも青く澄みきっていた。 そのただ広いだけの青色の中で舞う鳶のピロロロという声が遠く響き渡る。 稲穂の匂いなのか、泥の匂いなのか。田園地帯の特有の匂いの中…
ベランダに出てタバコを吸う。 越して来て間もない部屋をヤニで汚したくないのと、タバコの匂いを付けたくないからだ。 私が越して来たマンションの隣にはお庭のついた割と大きな民家があった。 改装を施…