最後の挨拶
これは、私が学生時代に起こった悲しい話です。 私は、通っていた大阪の大学が夏休みになり、広島に帰省していました。 夜に、友人Aから電話がかかって来ました。 「みんな、集まっとるんじゃけど、遊び…
これは、私が学生時代に起こった悲しい話です。 私は、通っていた大阪の大学が夏休みになり、広島に帰省していました。 夜に、友人Aから電話がかかって来ました。 「みんな、集まっとるんじゃけど、遊び…
これは、私が友人と夜の船釣りに行った時の話です。 その夜は、月明かりもなく、海の上は真っ暗でした。 船主の船長が魚群探知機で魚の群れを見つけて、そこで私たちは糸を垂れました。 だけど、1時間経…
これは、母に聞いた話です。 第二次世界大戦前の香川県のT市。 そこで祖母は、生まれ育ったそうです。 香川県には、農業用の溜め池が多くあり、もちろん祖母の故郷にも、いくつかの溜め池がありました。…
儂は、病気でもう長くない。だからここで告白をしておこうと思う。 儂は、善人面をした悪人だった。 何度も何度も殺人を犯した。 日本では、いや、海外でもそうだろうが、 殺人とは、遺体が見つからなけ…
これは、まだ私が小学生の頃に聞いた話です。 70年代前半には、まだ学校のトイレの怪談と言えば、これが有名でトイレの花子さんなどという怪談は、誰も知らない時代でした。 戦後から十数年経った頃、と…
いきなり向かいに座った老紳士は、私を見て優しく微笑んだ。 私は、とあるオカルト雑誌のフリーライターをしている。 最初、私は、スロースリップという大地震前の予兆かもしれないと言われている現象を調…
猫耳堂静風ヴァージョン 僕たちには、雪山挑戦は早すぎたのだ。 陽子は、死んでしまった。 恋人である陽子との想い出が蘇ってくる。 撲は、吹雪の中で彼女を抱いて泣き崩れていた。 山田は、そんな僕の…
羊皮紙に並ぶ血文字は、悪魔の書いた聖書の写本。 猫の瞳が色を失う。 時計の針がカチリと進む。 天空から下がった振り子がゆっくり揺れる。 大きなラッパの音がする。 大きな隊列の足音がする。 平た…
最初は、サメだと思った。 俺は、長距離貨物船の船員だったが、それは、カナダに向かっている最中の事だった。 明日には、目的のカナダの港に入港する予定だった。 俺は、休憩時間でやる事…
その娘が生まれた時には、彼女の家には1匹の猫がいた。 とても綺麗なメスの三毛猫だった。 若かったその猫は、その娘と共に育った。 彼女たちは、とても仲が良く、娘は学校から帰ると、その猫を必ず…
彼は、学生時代から怪談が好きで、 仲間内で集まる時は、必ずそっちの方に話を持っていくので、みんなから辟易されている程でした。 社会人になってもそれは変わらず、段々と友人たちから敬遠される様にな…
これは、廃墟好きの知人から聞いた話です。 広島の県北にある閉館した遊戯施設の廃墟を訪れた、 そうここでは仮に今村君とでもしておきましょうか…… 今村君は、その広い敷地を昼間から夜間まで、カメラ…