雪の音
「雪の落ちる音で目が覚めたんです」 「いえ、雪の落ちる音……だと思ったんです」 幼き日、実家二階の子供部屋で寝ていた彼女は、ドスンという鈍い音に目を覚ましたのだといいます。 実家のある雪国…
「雪の落ちる音で目が覚めたんです」 「いえ、雪の落ちる音……だと思ったんです」 幼き日、実家二階の子供部屋で寝ていた彼女は、ドスンという鈍い音に目を覚ましたのだといいます。 実家のある雪国…
遺影には宗教的な意味がない、と聞きますが、では、あの遺影にはどんな意味があったのか。 その女性は、数年前の出来事を忘れられないのだといいます。 ある日、彼女の家に、叔父の訃報が舞い込んでき…
その男性の友人は “遠く田舎を想う” という一節から始まる詩を残し、一時、失踪したのだといいます。 友人には廃墟探訪の趣味があったそうで 有名な場所だけでなく、名も…
雨模様の繁華街。信号を待つ傘の群れ。 とある男性は群れの中で、それを見たのだといいます。 その日、雨は朝から降り続け、昼間の繁華街をじっとりと包んでいました。 悪天候の平日でしたが人出…
ランドセルを背負った男児が怖いという、ある女性から聞いた話です。 きっかけは数年前、唐突に思い出した、小学生の頃の出来事だといいます。 その日、クラブ活動を終えた彼女は友人と連れ立ち、陽…
これは、とある男性から聞いた話です。 彼の田舎には昔、行ってはいけない神社、というものがありました。 それは正確には神社ではないのですが、とある林の中に鳥居とうっそうと茂る木々に囲まれた…